読書備忘録

 『ポトスライムの船』(津村記久子・著) ポトスライムの舟講談社 津村 記久子 Amazonアソシエイト by  津村さんの、芥川賞受賞作品です。表題作の他に、中編がもう1篇入っています。  まあ、とりあえず芥川賞受賞作品だし読むか的に書棚にあったから借りてみた。  結論からすると、この作品よりも素晴らしい作品達を生み出し続けているし、今の津村さんが描く世界や小説の方が好きです。って感じかな。  初期作は痛い。つらい。ちょっと重い。最近の作品はモチーフがやや重くても、軽い風の中を駆けて行く、みたいな気持ち良さがあって、読後感もさわやかなんだけど、ポトスライムは「あ。う、うん。ナガセさんはこれからは心が少し軽くなって、前向きに生きるんだろうね?大丈夫そうだね?」って半疑問形で終わる。きっと、大丈夫。大丈夫なんだろうけど。みんな、それぞれに思いを抱えたまま生きて行くんだろうな。ってところがちと重い。  気紛れに、2013年の作品を借りてきてみました。どうだろうか。  『すえずえ』(畠中恵・著) すえずえ新潮社 畠中 恵 Amazonアソシエイト by  久々に若だんなに会ったよ(号泣)。  しゃばけシリーズはアホほどハマって、文芸書版と文庫版と2冊買いするほど好きだったんだけど、発行ペースが速くて追いつけず(寡作の人ばかりに惚れる性分)、ずるずると「あー、新刊」と何度も呟いていた。  ようやく、全然追いついていないけ…

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私が子どもをもたない理由

 Yahooニュースが別の記事のコラムを転載していて、それを読んで読みたくなったので借りてみました。  書評だったんだけど、「へえー」って図書館で予約して、意外と早く来た。確かに私も1日で読み終わった(苦笑)。  『私が子どもをもたない理由』(下重暁子・著)     わたしが子どもをもたない理由(わけ)かんき出版 下重 暁子 Amazonアソシエイト by  ええと。内容はタイトルのまま。  著者の下重さんが「なんで私は子どもをもたない人生を選択したか」を書いています。あと、巻末に同じように子どもをもたないという選択をした人達がインタビューに答えるような感じで「自分家の場合」を語っています。  文中の、「なぜ、子どもを作らなかったの?」「淋しいでしょう?」と言ってくる人がいる、という現象には今のところまだ出会っていませんが、結婚した時は「子どもは?」とはもちろん聞かれました。  しかし。  職場では、「我が家は完全避妊なので絶対的にありえませんわーww」と3回くらい言ったら誰も言わなくなり、両親に対しては、若い頃から「子どもは作らない」と明言していたので、そよとも風が吹かず、義母からは小さく打診されたけど夫が「ウチはないから」とそっけなく言って終了。友人諸氏は私が結婚することすら天地がでんぐり返ったような奇跡が起きたと知っているため、それ以上の事は聞いてこない感じでした。  結婚してから、何度か生理不順に見舞われて生理が遅れる時があっ…

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「もっとやらなきゃ」は止め時

 友人に、「もっとやらなきゃ」とか「他の人は頑張ってるんだし」って思い始めたら、もう頑張りすぎている証拠だから休みなさい。と言われた。本当にその通りだと痛感する今日この頃である。  本を読み終わりました。  『中井久夫集・1』(中井久夫・著)   中井久夫集 1 『働く患者――1964-1983』(全11巻・第1回)みすず書房 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  全11巻の、1巻目。先は長い(笑)。  中井先生の全事業を年代別に昔から並べて網羅する全集を出すそうです。  考え付いた人にはハグをしたいくらい「よくやった!!」という気持ちです。  今回は別の筆名で書いていた論文も含めた『働く患者』がメインの内容。  読んだことあるけど、もう1回読んだ。目からうろこが落ちた。感動した。震えた。言い過ぎではない。中井先生の文章にはほとほと救われるのだ。  「働くこと」を具体的に考え、統合失調症を経過した(文字通り、翻弄され、戦い、くぐりぬけた)人々が、どうしていったらよいか、どう考えていくべきか、周囲はどうしたら良いか、それらがきちんと書いてある。  私は統合失調症親和性気質ではなく、真逆の鬱病親和性気質ではあるが、これは精神を病んだことがある人全員に響く事だと思う。  病気になったら、まずは治療を優先すること。治療と休養。「治療という大仕事をしているのだから、十分に休息するべきだ」という言葉は、鬱病で社会復帰困難者となった人、「…

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本の備忘録

 備忘録。  『男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる―』(橋本秀雄・著)   男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる青弓社 橋本 秀雄 Amazonアソシエイト by  Xジェンダーについての本を読んでいて、このインターセックスの方の名前があったので借りてみた。  インターセックス(半陰陽)とは、染色体構造や性腺の発現や発達が異なっていたり未分化であったりするため、両方の要素を併せ持った肉体を持って生まれてきた人達のことです(おおざっぱな言い方。詳しくはウィキったりググったりして!!)。  当事者である著者が自分の事を書いたレポ的半生記。  Xジェンダーの人達とインターセックス当事者さんはなかなか相容れないと、Xジェンダーの本に書いてあった理由がわかった気がします。  自らの性自認に対し悩んだことがないシス女性である自分からすると、懊悩する要素がたくさんあって大変そうだな。自分の望む性で生きて欲しいな。と、薄っぺらいことを思いましたよ。  やっぱり、シス的には「なんでもない」ことが、クィアの人達には苦痛というところが難しい。  こちら(シス)にとっては普通で、そこに全くの引っかかりを感じないことを「苦痛だ」とすると、やっぱ、言ってくれなきゃわからない部分があって、言って欲しいなー。と思うん。  制服、トイレ、化粧、それらは「強制された」という認識すらなく、もっとざっくばらんに「へー。あ…

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違いは違いとして、違うのだと知る

 自分と違っている人の事を、まったく理解しようとせずに排斥したり非難したりする人が大嫌いで、「なんて想像力が貧困で、人間として貧しいんだろう」って思うんだけど、私にもわからないと首をひねることはある。    例えば、性欲と暴力が結びついている人。暴力を好む人。この人達の気持ちとか、どうしてそうなるのかとか、それってどんな感じなのかとか、全然わからない上にわかりたくもない。  そういう人がいたとしたら、全然理解しようとしないし、一方的に遠ざかるし遠ざけるし関わり合いになることを徹底的に避ける。  それが、ジェンダーや病気について差別感情があることとどう違うのかというのは、実際、私にはわからない。  私にも、「性欲と暴力が結びついている人」「ペドフィリア」「暴力を好む人」に対する差別感情があるということだ。どうがんばっても、「私達は同じよね!」とは相成れず。むしろミミズやオケラと同じであることの方が正しく感じる。  だから、一概に差別感情がある人のことを誰もとやかく言えないのだろうと思う。おこがましい。  ただ、是認はしないが、「そういう人もいるもんだ」程度には認識可能である。  基本的に「自己」と「他者」は決して同じにはならず、同じでないから違う所があり(違うところの方が多いわけで)、誰しも全く自分と同じ人はいないんだから、「違うんだ」を前提で見ていれば、「あたしと違ってて気持ち悪い 」は防げるんじゃないかと思うのだが、いかがか。  と言う訳で、こんな本を…

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本の備忘録

 読んでも書かないことすらあるな。最近。つか、読書ブログと化してないか?まあいいか。  『徴候・記憶・外傷』(中井久夫・著)   徴候・記憶・外傷みすず書房 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  中井先生節炸裂的名作。超面白かった。  もう返してしまっているため、「ここが」とか「この文章が」とか言えんのだが、やはり中井先生にお話ししてもらうとワクワクする。  患者さん宅へ訪問(今ではそんなことはあり得ないのだろうな)した時の話。  行ってみないとわからないことがあるとのことで、「行ってみたら家族全員病人だった」という鉄板ネタ(?)に、やはり苦笑してしまう。  精神の病を「誰しもがなりうる病」と捉え、患者を置いてけぼりにしない姿勢には改めて頭が垂れるとともに、やっぱ好き!中井先生!!って感じの本でした。  『浮遊霊ブラジル』(津村記久子・著)   浮遊霊ブラジル文藝春秋 津村 記久子 Amazonアソシエイト by  津村さんの短編集。どれも面白かったです。  まったりとした雰囲気がありつつ、これからの少しワクワクする心持を描いた『給水塔と亀』。  『うどん屋のジェンダー、またはコルネさん』は、読んでて少し胸が痛くなった。  『アイトール・ベラスコの新しい妻』。スクールカーストのてっぺん女性の怖さを、先んじて読んだ旦那さんは「こえええ」って言ってたけど、「ありそう」と元女学生は思うのでした。  ってい…

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本の備忘録

 本の備忘録です。  『極限のひと―病める人とともに』(神谷美恵子・著)   極限のひと―病める人とともに (1973年)ルガール社 神谷 美恵子 Amazonアソシエイト by  何が凄いって、私が生まれる前に出版された本だよ(笑)。  神谷美恵子さんの、「極限の人」に対する考察の本。最初はハンセン病を患って精神を病んだ人の症例。  その人は「神の声」が聞こえるようになり、療養所でも一切の治療を拒み亡くなったそうです。    とりあえず、本が古すぎてフォントが読みにくい(笑)。  でも、神谷さんの言葉は透明な天然水のようで、するすると染みわたるんですぐに読了しちゃいました。  うーん。神谷さん、やっぱ優しいなあ。って思う。    本文の中に「妹の結婚が自らの発病で破たんしてしまったことを知った人が発狂した」という旨の言葉があり、今は使われなくなった「発狂」と言う言葉に、その強さと苦しさが際立っているなと思いました。  親族にハンセン病の人があると知られたら縁談が破談していた昔の日本。妹の幸せを自分が反故にしたと知って気が狂うほどに苦しんだお兄さんの心中はいかばかりか。胸が締め付けられます。  別の本で、神谷さんの人となりを別の人が描いた文庫本を借りたのだけれど、まあ、ご本人の言葉ではない訳だし、言葉を選んで載せていてもそこに他意が入ると容易に印象操作はなされるので、流し読みにしました。  立派な人ではあるし、聖女と称えられた人で…

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職場に持って行く本のタイトルとしては

 今、職場でも本を読んでいますが、持って行く本のタイトルが『自殺』とか『自死を生きる』とか『千日回峰行者を訪ねる』とか、なんか、ヤバイよね。って話して笑ってました(笑)。  とりあえず、これは読み終わりましたよ。  『猿之助、比叡山に千日回峰行者を訪ねる』(市川猿之助・光永圓道・共著)   猿之助、比叡山に千日回峰行者を訪ねる春秋社 市川 猿之助 Amazonアソシエイト by  市川猿之助さんは、私にとっては未だに「亀ちゃん」なんですが、猿之助を襲名してもう5年なんですね。  うあー。早いもんだ。  そして、光永圓道阿闍梨も、「圓道さん」と呼ぶ感じで、この方を知ったのは読売新聞の小さい記事でした。たしか、満行したという記事で、そうか、それからもう8年も経つのか。早いもんだわー。  年齢がバレるのでアレなんですが(それでも言ってしまうが)、亀ちゃんも圓道さんも私も同い年なんですわ。  なので、なんか勝手に近しい感じがして、しかも、圓道さんイケメンだし、昔からひそかに好きだったしで、願ったりかなったり的な本でした。  さて、内容はというと。  亀ちゃんが仏教オタクすぎて引くわー(褒めてます)。  すごい勉強家なんですね。歌舞伎役者さんて、そんなに仏教に精通してるの?    あくまでも千日回峰行を満行した阿闍梨としての圓道さんは、とにかく「行をする人」に特化していて、亀ちゃんが「もうちょっと仏教も革新的なことできませんか?」…

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なにもかも。

 期待以上に面白かったです。この本。  『お坊さんが明かす あなたの町からお寺が消える理由』(橋本英樹・著)   お坊さんが明かす あなたの町からお寺が消える理由洋泉社 橋本 英樹 Amazonアソシエイト by  現役の曹洞宗のお寺(見性院)の住職さんが書かれた本です。    南都仏教から平安仏教、そして鎌倉仏教までの流れと、鎌倉仏教のこと(ほぼ律宗絡みで、浄土系は好きじゃないのと禅宗は興味がないのであまり知らんが)をだいたい把握し、なんとなく、江戸期と廃仏毀釈辺り、それから近世の仏教。までをうーーーっすら知っている状態でしたので、この本の冒頭にある「なぜ葬式仏教となったのか」という流れは、大変勉強になりました。  国(天皇)に仕える国家公務員とも言える官僧が、穢れ忌避の意味から葬送事業には携われなかったため、鎌倉時代に萌芽した遁世僧たち(それぞれ「なぜ死穢を浴びても平気なのか」を論理武装した)によって葬送事業が行われたという所まではすっきり飲み込んでいたんだけど、それ以降が微妙で、えと、江戸幕府による檀家・檀那寺制度で寺が戸籍管理をするようになり、またすべての寺を「本末制度」にすることによって、寺の寺格を明確にヒエラルキー化、また、固定化したというところまではオッケー。  明治政府が神仏分離令を発布したせいで仏教は神道と融和していた部分を引きちぎられ、「妻帯肉食オッケー」のお達しでどんどんアカンようになった。  と、思っていたのだけれど、…

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普遍的な話

 神谷美恵子さんの『人間をみつめて』を読み終わりました。  仕事の合間にちょこちょこ読んでたから時間かかった・・・(仕事しろ)。  読了後、これが私が生まれる前に書かれたとは信じられんと思ったのと、生まれる前だったからなのか、と思ったのと。  中井久夫先生からのお勧めみたいなつもりで読みましたが、読んで良かったです。   人間をみつめて河出書房新社 神谷 美恵子 Amazonアソシエイト by  旦那さん曰く、「実用書としての啓発本はたくさんあるけれど、そういった類ではなく、普遍的な本だ」とのこと。  真にその通りだと思いました。啓発本という言い方は私が言い替えた言葉で、「そういうんじゃないよね」ってニュアンスのことを言ってたのでした。  中井先生の本も付箋だらけになるが、神谷さんの本も付箋だらけに(笑)。  私は付箋をつけて読むタイプじゃないんだけど、ブログに書くという欲目もあってか、付箋がどんどんついていく(苦笑)。  以下、付箋をつけた所です。  「したがって努力とかよい心がけだけで人間が幸福になれるとは限らない。とすれば、なんらかの意味で幸運に恵まれた人、生存競争に勝った人は、不幸な人、不運な人に対して負い目を持っているのだと思う。どうしてこちらでなくあちらが不幸や不運にみまわれているのか。この疑問がつねに心に生じるのが当然であろう。  「自分だけ、自分の家族だけがしあわせになればよい、という考えだけは、どう考えても片手おちだと…

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貸出中の資料は、次のとおりです。

 ほぼ毎週図書館に通っている(笑)。  (以下、不謹慎な内容が含まれますので過敏な方はご遠慮ください)  そんで、横浜市では、借りた本の名前とかいつまで返す本ですよっていうのをレシートみたいなんに印字してくれます。  「資料番号    資料名        返却期間     203793224  樹をみつめて     17.0506   205215473  自殺           17.0613   205216984  人間をみつめて    17.0514   205530983  この世にたやすい仕 17.0504    」  これを見て、旦那さんが一言。  「樹をみつめて自殺って、完全に首つりだね」  「わー。完全にぶら下がる所を探しているよ!」    昨日、借りたり延長したりで新しくなりました。  「資料番号    資料名        返却期間   205216984  人間をみつめて    17.05.26   204353156  鎌倉新仏教の誕生  17.05.28   205375709  どうしても嫌いな人  17.06.04   205751284  お坊さんが明かす  17.06.04  」  人間をみつめていたら、鎌倉新仏教が誕生し、どうしても嫌いな人をお坊さんが明かしているそうです。  っていうか、なんか不穏なタイトルが多いな、自分(笑)。  と言う訳で備忘…

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読書備忘録

 今はインプット期なのか、ずっと本を読んでいます。  藤沢市の図書館でも本を借りられるようになったんで、GWに車を出してもらってO図書館に行って来たんですよ。なんか、「ニュータウン」みたいな雰囲気(ニュータウンって言葉自体死語じゃね?)で、大きなマンションと広い道路と、それに比して大きく立派な街路樹、緑の多い気持ち良い場所でした。  で、借りてきた本をGWから読んで終わった感じ。  『時のしずく』(中井久夫・著)   時のしずくみすず書房 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  中井先生のエッセイ、2冊目。  今回の方が読みやすかったかな。とにかく内容充実大満足の1冊でした。  私はすっかり中井先生の大ファンなもんで、著作も多いからもこれからじわじわ読み続けたいと思っています。  興味深かったのは、阪神淡路大震災で被災された当時者でもある中井先生が震災の事を精神科医の目を通して書かれていた文章。  被災者差別は起こらなかったとし、「しかし、原発関連の災害が起こったときには差別が苛烈になるだろう」みたいなことが書かれており、東日本大震災から20年以上前に予見していた人がおられたという驚きと、そして、人間の愚かさにちょっとがっかり。というか、げんなり。  あと、「統合失調症はなぜなくならないのか」という話も面白かったです。センシティブな、繊細な人がストレスを過剰に受けると精神に失調を来して病になる訳だけれども、統合失調症の人、もしくは統…

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結論

 私的なことを垂れ流すブログなので、超私的なことを書きたいと思います。  仕事を辞める決心がつきました。  GW前、本当に煮詰まりきっていて、「GWに入れば、GWになれば」を合言葉に踏ん張っていたつもりでした。もう崖の下に落ちてたんだけどね(笑)。  GW中。楽しく、気持ちの晴れ晴れすることがたくさんあったけど、子供の姿を見ると怖い。怖いし、嫌だし、憎しみも沸く。単純に、つらい。毛虫の嫌いな人、そこらじゅうに毛虫がいると思って。Gが嫌いな人、そこらじゅうにGが飛んでいると思って。はっきり言って、外へ行くのがつらい。    それ以前から、母や親しい友人、そして旦那さんからは「早く退職した方が良い」と言われてました。  私がぐずぐずと弱音ばかり吐くので、みんな優しいんです。  でも、今年で19年。それだけ長い間勤めた病院だから、愛着もある。それに加えて、転職に対する不安がとても強かった。  「失敗してはいけない」という生真面目さが怖さを産んでいたのだと思う。もともとビビりだし。  GWの終わり。旦那さんに何度も聞いてもらった「仕事のこと」を自分で話すうち、旦那さんがこう言ったのです。  「あのさ。Sさんが辞めたいってのを繰り返し言うようになったのは、Nちゃんが辞めてからだよ?だから、仕事がしんどくなったのは、俺と結婚したからか、Nちゃんが辞めたからか、どっちかじゃない?」  旦那さんが推察するには「帰宅してご飯作らなきゃ」がストレスになっているのではな…

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樹をみつめて

 図書館の書棚でしゃがんで本を探す夫の横に、何気なく自分もしゃがんで本を見たら、パッと目に入った。  「あ。なに。中井先生、エッセイ出してらっしゃる」  そんな訳で借りてみた。   樹をみつめてみすず書房 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  『樹をみつめて』(中井久夫・著)  私が尊称をつけて呼ぶ数少ない方。  「中井先生」。精神科医師であり、統合失調症に関する著作が多い。その他、翻訳本や随筆も数多く出版されている。  前にも書評を書いたのだけれど、私は中井先生のお考え(考え方)、患者への寄りそい方、そして文章が大好きです。どのくらい好きかと言うと、今回の本は付箋をつけながら読んだくらい好きです(笑)。  この本は、それぞれ100枚を超える長文エッセイをまとめた本ですが、内容的にはややまとまりがありません(笑)。  表題の『樹をみつめて』は、中井先生がクヌギやシラカバなど、どこにでも自生する木々について先生らしい優しい言葉で語った植物エッセイで、もう、最初っから文章が素敵すぎて悶えた。  特に、シラカバについての項で、なかなか根付かない2本のシラカバを、枯死させぬようにと根を丹念に絡めて植えたところ、見事に根付いて育ったが、先生の背の高さを超えた頃に庭師がそれを伐った時の描写。  「樹容は美しくない。地下の根の絡み合いを再現するように、幹と幹はくねり曲って接し合い、下手な舞踏の姿であった。庭師が片方を伐った。樹…

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誰のためでもなく

 本の備忘録です。  『断片的なものの社会学』(岸政彦・著) 断片的なものの社会学朝日出版社 岸 政彦 Amazonアソシエイト by  図書館の返却棚にあったので、ポイと借りてみた1冊。  社会的マイノリティを研究している社会学者さんですが、最初の方は「ん?んん?」ってなります。  難しいっていうんじゃなく、なんというか、「どういう本だ?」って考える。  だけど、どんどん引き込まれて、読むタイミングがちょうど合致していたせいもあり、私は救われました。  「あー。頭が良いって大変だな」って思った(笑)。  考えることを止めない、思考して結論が出ずともなお考え続けること、それは歩みを止めないことであり、わからないから止めるのではなくわからないから進む。という姿勢。  ぐだぐだと考え過ぎる私にとっては、「私よりもぐるぐる考えまくる人がいて、しかも社会学者の偉い人で、そんな賢い人でも、やっぱり答えが出ないことは答えが出ないことだし、仕方ないんだな」って、なんか、安心したのでした。  密林のレポを読むと、「独善的だ」と言っている人が多い感じですが、独善的で何が悪いんだろうかと思うし、他人の事なんか絶対に「全てわかる」なんてそんなことはなく、「わからない」ってきちんと認めてるのは良いことだと思うし、岸さんは、「そのまんま」をぼんやり眺めるスタイルであると思うのでした。  変に物語をつけない。という姿勢はとても好感が持てます。  マイノ…

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「丁寧」を心がける

 3月から、横浜市と藤沢市と大和市と川崎市で相互乗り入れ的に図書館利用ができるようになりました。  この画期的システムにより、藤沢市の図書館でも本が借りられるという!喜び!  予防接種事業や乳児医療体制にも同じことが言えますが、市町村単位で割り振られると、こう、市境に住む人間としては「藤沢市の図書館の方が横浜の中央図書館より近いのにっ!」みたいなことがあって、県単位、もしくは国単位での連携にしてほしい。と、思ったり。  というわけで、藤沢の図書館でも借りたりだったので。備忘録。  『セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語』(岩岡千景・著)    セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-02-09 岩岡千景 Amazonアソシエイト by  Eテレで鳥居さんの特集番組をやってて、それで知ったん。  歌集が出ているから、と、横浜の方で『キリンの子』を予約したら30件以上待ちでまだ来ません(笑)。  しかし、藤沢の方で書棚にこの本がポイとあって、「おおっ!」と思って借りてみた。  順番的には歌集より先に読んで良かったと思います。  歌人・鳥居さんの半生を描いたルポ的ドキュメンタリー本。ご本人が書いたのではなく、インタビューとかを通じて他人がまとめた。という感じ。  ところどころ、鳥居さんの言葉が入ったり、短歌が入ったり。  とにかく彼女の人…

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こんな私でも

 旦那さんが「漫画も図書館で借りられるから」と、手塚治虫さんの『ブッダ』を借りてくれて、現在4巻(愛蔵版のため、全8巻)まで読みました。  なんかいろいろツッコミたい気持ちを抑えつつ、おもしろく読んでいます。  それと、これも読んだ。  『無菌病棟より愛をこめて』(加納朋子・著)   無菌病棟より愛をこめて文藝春秋 加納 朋子 Amazonアソシエイト by  推理小説家の加納朋子さんの、急性骨髄性白血病闘病記です。  思わず、読む前に御存命かを失礼ながら確認させていただきました(笑)。  今は予後5年を経過してなおお元気であられるそう。本当に良かった。完全寛解ってことになるのかな?  本は発症から骨髄移植、そしてその後まで。  入院中ながら、ユーモアを交えながら書いている文章がとても読みやすく、中島梓さんの闘病記以来の傑作でした。  作家さんの闘病記ってすごいよね。文章力のなせる技なのかな。  中島さんの時も思ったんですが、もう、さ。  旦那さんが素敵ぃぃぃ~~~!  加納さんの夫君は同じく推理作家の貫井徳郎さん。  なにって、決断力のある夫の素晴らしさよ!!  「大丈夫だから。君は気にしなくていい」って、頼もしいし、「必要な物を考えてみた」ってパソコン買ってくれたり、差し入れとか気を遣ってくれるし、優しいし、大きな賞の授賞式を辞退した時の言葉が「こんな時(妻が白血病の治療入院中)にみんなにおめでとうって言われたく…

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短歌的な日常

 再びの短歌ブーム!  いえ、我が穂村会内のみの局地的ムーブメントであります。  旦那さんが借りてきた本を読んで火がつきました。  『桜前線開架宣言』(山田航・編著)   桜前線開架宣言左右社 2015-12-24 山田航 Amazonアソシエイト by  副題は、「Born after 1970 現代短歌日本代表」。  1970年代生まれ、1980年代生まれの近代短歌の歌人達のレビュー本です。  編著の山田さん自体私の好きな歌人ですし、地の文章もおもしろかったです。  先んじて読んだ旦那さんが「やっぱり、自分の生まれた辺りの前後5年くらいは共感性が高く、年が離れるとわからなくなる」と言い、どれどれ、と読んでみたら、なるほど、1980年代半ばの子等のは、あまりビビッと来ず、なるほど、これが加齢か。と、しみじみ思いました。  現代における短歌に対するコラムも読みごたえがあり、「穂村弘の立ち位置はお笑いにたとえるならばダウンタウンに近い」、また、俵万智さんに関しては、「東京の流行を反映させた斬新な芸風や多くの新語を考案しながら、ほとんどがそのまま定着してしまったために評価され辛くなったとんねるずに少し似ている」という部分に激しく膝を打ちました。なるほど。そうですね。  私達は穂村弘さんの圧倒的な存在感と神々しさにひれ伏しながらも、「同じように素晴らしい短歌を詠んでみたい!」と思うのです。穂村さんの短歌は打ちのめされない。  そうそう。短歌っ…

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低血圧と生きる

 低血圧。辛いです。  ウチの先生は高血圧なので、「血圧が低い分には良いんだよ。羨ましい~」とか抜かす。お前の血圧よこせ。と、思ってしまう。  いつから低血圧なのかはよくわからない。  母も血圧が低いため、たぶん、遺伝なんじゃないだろうか。  とにかく疲れやすい、立ちくらみが激しい。  車で買い物に行き、駐車場に停めて助手席から立ち上がって外に出るだけで、数秒間固まっていなくてはいけない。めんどくさい。  職場でしゃがんで問診を取ると、診察室に入るまで何も見えないことがある(目の前が暗転している)。    休憩中にipodをいじってて、「時間だよ」と言われて急に立つのが一番すごい。  頭がぎゅーってなって、目の前が白く(もしくは暗く)なって、心臓がばくばく言って、体が細く絞られる感じ。  慣れたから、「またか」って感じで止まっていれば良いのだけれど、いちいちそうなるのでめんどくさい。  職場で血圧を測ると、調子の良い時で、98/78とか。えらい具合悪いぞ、これ。と実感があるときは、85/70とか叩き出したりする。  3ケタあると「すげー」と思うし、90台がデフォ。  でも、治せないと思っていた。  そんな私が出会ったのが、こちらの本。  『本当は怖い 低血圧』(永田勝太郎・著)     本当は怖い「低血圧」 あなたの「うつ」、実は「低血圧」かも?秀和システム 永田 勝太郎 Amazonアソシエイト by …

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偶然転移AV女優

 本の備忘録です。  読売新聞の書評で見かけて気になっていた本が図書館にあったので借りました。  『「AV女優」の社会学 なぜ彼女達は饒舌に自らを語るのか』(鈴木涼美・著) 「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか青土社 鈴木 涼美 Amazonアソシエイト by  都会で青春時代を過ごした著者が、AV業界に潜入取材(というか、スタッフとして雑談の中から聞きとったりしたこと)をまとめた考察本。至極真面目な本です。  タイトルの通り、「なぜ饒舌に自らを語るのか」を論じています。  そのためには、AV女優とはどんな存在なのか、どんな仕事の仕方をしているのかに項が割かれています。  私はそっち方向は全然知らんので(一般女性並みにしか知らん)、「へえ」「ふうん」の連続ではありますが、地の文章が、相性が合わないタイプで読みづらかったです。  鈴木氏が悪いのではなく、私が「頭に入らん文章を書く人だ」と思っただけだから、下手とか言うてません。  途中からめんどくさくなって、最後の方は斜め読みになっちゃったし。  結句、AV女優さん達が自らを饒舌に語る理由を一般人の私(いつそういう業界に身を置くかわからんと言われても、私の倫理観ではそれはないと断定できるし、私はやらないけれど、そういう仕事―AV業界以外の風俗の仕事も含む―をしている人に対して「大変であるな」としか、それは蔑みではなく、自分には決してできない仕事をしている人に対する「大変そうだな」と…

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自由に生きる

 リアルに、高熱を出して倒れていました。  いや、高熱ってほどではないな。ただ単に、身体も心も「無理っす!」ってオーバーヒートしてぶっ壊れた感じ。  水曜日の早朝から熱が出て、「こりゃアカン」って、何も粘らずに諦め(珍しい)、仕事を休ませてもらいました。  ちょうど旦那さんがお休みだったもんで、車で病院に連れて行ってもらって薬ももらい、そのあとは文字通り死んだように昏睡。  ひたすら、くーくー眠り続けて、木曜日も午後からの仕事を代わってもらい、金曜日の勤務も途中から立っていられなくて早退。  何も食べたくない、胃が痛い、気持ち悪い、熱がある、咳が出る、フラフラする、立っていられない、頭が痛い、身体も痛い、というか座っているのすら辛い、倦怠感がハンパない。  そんな感じが2~3日続き、土曜日から徐々に回復。  昨日からは、すっかり元気になりました(たぶん)。    水曜日。2時間ごとに眠りから覚め、トイレに行ったり水分を摂ったり、また寝て、寝るまでの時間、いろいろと考えが押し寄せて、それをシャットダウンするように睡眠状態になり、また目覚めて考えての繰り返し。  まとまったことについては後日別記します。  お読みいただいている皆様にお伝えしないといけないこともあるし。  さて、それとは別に、本を読んだので。その感想など。  『ことばおてだまジャグリング』(山田航・著) ことばおてだまジャグリング文藝春秋 山田 航 Amazonアソ…

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3月と、恋。

 並べたら何のことやらわからん(笑)。    『3月のライオン』のアニメが始まりました。  原作は旦那さんが好き(はちクロ時代から読んでいる)なので、単行本が我が家にはあり、先日の落ちてるday(精神的に落ちてて何もしたくない休日)にはふがふがと一気読みして、おかげで底上げできました。  同じく『3月~』が好きな友人とLINEで「アニメやるよ」の話をして、ちょうど先週も先々週も旦那さんが遅番で起きていたこともあって、リアタイで見たん。  原作の雰囲気を壊さないよう、丁寧に作ってあって好感が持てました。  旦那さんが「なんか、ウチって眼鏡かけてる主人公の漫画、多くね?」って言ってたな。そういえば。  私が眼鏡フェチだから仕方なくね?  って、旦那さんが買ってる漫画の主人公も眼鏡だらけだわな(笑)。  『3月のライオン』『銀の匙』『四月は君の嘘』、『野田ともうします』の野田さんも眼鏡だ(笑)。それから私の『HOLiC』『青の祓魔師』。  眼鏡+黒髪率、異常に高し!!(笑)。  零くん、八軒、有馬くん、四月一日、雪男。髪型もかけてる眼鏡も似てるな。そういえば(爆笑)。  黒髪短髪ストレートスクエア黒縁眼鏡最強説。  3次元なら、ウチの旦那とまりんさん。  ライオンは、先日の新刊もとても良かったです。ようやくふんわりした雰囲気の話になって(ホロリ)。  あかりさんの彼氏には誰がという話。我が家では、島田さん一択で。島田さん推し決定。  実写化映画も、…

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筋肉祭り

近頃「面倒だなー」と煩わしい事案に関して、旦那さんからアドバイスと言うかダメ出しをもらって、目からウロコと共に「んあああ!んなこと言ってもおおお!」って思ってたんですが。 なんか、ふと、それは私の因業つか、落とさなければいけない煩悩がいけないのだな。 と、ババーンと気づいたので、写仏しました。笑。 金峯山寺の蔵王権現立像。 アクション派の中では蔵王権現が一番好き。 こちらの御像のように、ガーンと大きいのも良いが、小さくて摩滅してる鋳造仏。萌える。 この本を買った要因の1つ。蔵王権現がいる。大好き! 蔵王権現の脇腹とか!腋の下とか!筆を入れる際、大変、萌えました(笑)。 筋肉も楽しかった。実際には、男性の筋肉なぞギターとお箸が持てれば良いと思ってますが。 せっかくなんで、例の煩悩を払ってもらうべく、こちらも写仏しました。 東大寺法華堂の執金剛神立像。 筋肉と血管。 あ、特に血管フェチじゃないですよ。女の人、多いけど。 自分が血管出まくりの腕をしているため、ロマンを感じん。つまらない話です。 採血しやすそうだ。と、思うくらいか。 前回はむちむち祭り。 今回は筋肉祭り。 けっこう面白かった。 業が消滅しますように。

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むちむち。

写仏! 金剛峰寺高野山霊宝館の、矜羯羅童子立像。 むちむち! 鎌倉仏で、運慶作だから玉眼入ってるん!すご! で、もう一枚。 新しい本。 『人気仏像なぞり塗り』。 今度はなぞった上で塗れってよ(笑)。 下絵を描いてくださってる仏師さんが違うから、タッチも違う。 最初に選んだのは、なぜか鬼子母神(笑)。 末っ子がムチムチでウケたんで(笑)。 この本も、仏さまの人選(仏選?)が面白い。 色は塗るか未定。でも塗ってみたいなー。

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二度寝とは若さの証し・その2

 津村記久子さんの『二度寝とは、遠くにありて想うもの』を読んだ感想。  続きです。  「お菓子の行列の足元」  これを読んで、旦那さんと「この「ンパパ」と称されているお菓子は何だろうか」とネットで検索してみました(大きなお世話)。  文章から類推されるヒントを元に、これは「ガトーフェスタハラダ」のラスクではないかとの結論に。  確かに、わざわざ行列に1時間以上並んで食べるほどのものではないけれど、貰えば嬉しい。  ただ、私も旦那さんも、ここのラスク、超大好きなんですよね。でも、そうか。並んでまではいいや。と思う。笑。  金色の包みに入ったグーテ・デ・ロワ プレミアムを食べた時には「何!これ!すっげウマイ!!」と感動したけれど、うん、並んでまで(以下省略)。    私も旦那さんも、「並んでまで○○」ということは滅多にしません。容易に諦める。  行列が好きではないと言うよりは、そこまで「食べること」に執着心がないらしいです。  ただし、「ふたば」は違う。京都の和菓子屋さん。ふたばの豆餅を食べるためなら!並ぶ!並ぶとも!バスの時間が危なかろうと!並ぶさ!!(もう何回も並んでます)。  そういえば、群林堂も並んだ(複数回)。  ・・・・・豆大福のためならば、並ぶらしい。俺。確かに。ラーメンに行列している人を笑えないな。反省。  「正しい死に方なんて誰も知らない」  とても良い章でした。赤ベコになって首を振りながら読みました。  「無縁死ビビり隊」、早い結成をお願いし…

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二度寝とは若さの証し・その1

 津村記久子さんの『二度寝とは、遠くにありて想うもの』を読みました。   二度寝とは、遠くにありて想うもの講談社 津村 記久子 Amazonアソシエイト by  名著です。すっげおもしろかった。  以下、ネタばれというよりは、この本を読んでから読んでほしい文章になります。  津村さんって方。本当に、何と言うか、「お友達になりたい!」って思います。  自分と似ている所がたくさんあって、考え方とかすごく近くて、女性作家さんのエッセイですと、三浦しをんさんが一番でしたが、しをんさんのエッセイを読んでいた頃は、二人とも若く、男性方面がカラッカラに枯れた腐女子でした。  んん。枯れてるのに腐ってるってのもおもろいな。いや、まじで。ラブ事情に関しては即身成仏化してましたね。  今でこそ、最愛のダーリンハニーを見つけて結婚なんぞしてますが、逆に言えば、夫T氏以外の男性は全て恐怖。遠ざけたい。関わってくんな。こっち見んな。ってことなので、変わってないような気もします。  津村さんは、今の私が一番共感できる。と言う感じかな。  いいタイミングで素晴らしい作家さんに出会えて幸せです。  前置きが長くなりましたが。以下、ツッコミです。  「気安い顔の災難」  津村さんも「道訊かれ顔」だそうです。ネットでご尊顔を拝したら、確かに道を訊いても邪険にされなさそうな、こちらに耳を傾けてくれそうなお顔をされています。あと、賢そう。  なるほど。ここはポイントかもしれない。確か…

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「それでも」と思う。

 犯罪心理系の本をフガフガ読んでいました。  もしかしたら、不調の原因はこれ?(まさか!)。  『ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る』 ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る (NHK出版新書 476)NHK出版 NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班 Amazonアソシエイト by  NHKで放送された「消えたこどもたち」というシリーズの書籍版。  18歳まで母親に監禁されていた女性のエピソードは怖すぎて、やや斜めに読みました。  精神的に耐えられないくらいヒドイです。リアルに具合が悪くなるほど怖かった。  どうして、そんなことができるんだろう?  って、なんか、こう、当たり前過ぎて全然役に立たない疑問が頭の中で点滅しまくりました。  他にも色々な元子供達の実体験や統計から浮かび上がる不幸などが満載です。胃が痛い。  児童虐待系の本は、そこそこ読んでいて、耐性があると思ってたんだけどなー。アカンかった。ルポだからなのか、なんだろう、これじゃ死んだ方がいいよね?ってレベルだった。  前述の18歳の女性は、同じ家に父(ほぼ不在)と姉と兄までいたのに、その3人から見えないふりをされ、母から小学生に上がる少し前から18歳になるまで虐待・監禁されていました。  彼女にランドセルを買ってくれた優しい祖母が他界してからは、誰も助けず。  そのランドセルも母に「こんなもん要らん」とされ、ただ朽ちて行くのを見るしかなかった…

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東京と東京と東京

 本の備忘録です。  『東京百景』(又吉直樹・著) 東京百景 (ヨシモトブックス)ワニブックス 又吉 直樹 Amazonアソシエイト by  せきしろさんとの本から始まって、又吉さんの文才はスゴイと思っていたけれど、この本も素晴らしく良かったです。  どこまでが真実で、どこからが虚実なのかわからないけれど、そこがとても良かった。  東京の彼方此方にまつわるエッセイです。  この人の文章は本当に好きだ。じんわり沁み渡り、時に切なくなり、時に笑える。  芸人さんて頭良いんだなー。ぼんやり。  拝読しておると、又吉さんはチャンネルを世界と合わせるのが苦手な人のように思いました。  そっと手を取って「大丈夫だよ」と言いたくなるけど、そう言うと、きっと「な、なんやねん」とキョドって全然役に立たないばかりか迷惑にしかならないだろうなと鮮明に想像できる感じ。好き。  御同業の人や芸能人の名前もちらほら出てきます。  せきしろさん、すっご、カッコイイ。もう、人間としてカッコイイ。惚れる。  西加奈子さん、超キュート。すてき。素敵過ぎる。惚れる。  栗原類くん、可愛い。めっちゃ可愛い。惚れる。というか惚れてる(好き)。  それに、又吉さん、すごく好き。  切なくて面白くて。とても良い本でした。  『ミッキーかしまし』(西加奈子・著) ミッキーかしまし筑摩書房 西 加奈子 Amazonアソシエイト by …

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本。備忘録。

 読後の備忘録です。  『本屋さんで待ち合わせ』(三浦しをん・著)   本屋さんで待ち合わせ大和書房 三浦 しをん Amazonアソシエイト by  旦那さんが借りた本を拝借して読む。  しをんさんの書評本ですね。  この中から、『虐待の家』と『探検家の憂鬱』を借りました。  『探検家の~』は未読。こちらも読み終わり次第書く。  しをんさんは、まだ受賞歴のなかったころからのファンで、主にエッセイを読んでいます。  年も近いし、価値観とか考え方がとても近くて、大好きな作家さんです。ヲタだし。  この本も読書家なしをんさんらしく、いろいろなジャンルの本が載っていて面白かったです。  真摯に向き合う作品あり、茶化す作品あり、その辺のバランス感覚はさすがだと思います。  これ、読んでみようかなと思わせる力がある本でした。  『地平線の相談』(星野源・細野晴臣・著)     地平線の相談文藝春秋 細野 晴臣 Amazonアソシエイト by  源さんが、細野さんを好き過ぎて、見てるだけで愛おしくなる本でした(笑)。  ラジオをまとめた本。なのかな?  源さんが細野さんに「先生!」と、いろいろなことを相談する内容です。  音楽とは?病気とは?など。  と言っても、なんか、こう、イチャイチャしているだけなので、「イチャイチャしてるなあ」と眺めているだけで幸せになるための本。笑。  真面目な話ももちろんありますが、総じて…

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ココロへダイヴ!

 昨日、予約していた本が来たからと旦那さんに図書館に連れて行ってもらい、借りてきました。  貸出中の本のタイトルを見た瞬間、「こりゃ結構ヤバイ人だね」って笑えましたよ。    『「つながり」の精神病理』(中井久夫)  『虐待の家』(佐藤万作子)  『江戸猫(浮世絵猫づくし)』(稲垣進一・悳俊彦)  『地獄絵を旅する』  『自死』(瀬川正仁)  江戸猫がかろうじて可愛いだけで、あとはヤバイ(笑)。  さて。読んだ本から感想を。    『江戸猫(浮世絵猫づくし)』   江戸猫 浮世絵 猫づくし東京書籍 稲垣 進一 Amazonアソシエイト by  タイトル通り、江戸の浮世絵から、猫づくしの絵や猫の絵を取り上げて解説してある本です。  ご存じの通り、歌川国芳さんがたくさんの猫の絵を描かれているんで、いっぱい載ってて嬉しい。  とにかく可愛い。というか、可愛い。  江戸の猫さん達は尻尾が丸い子が多くて、「おお。ジャパニーズボブテイル!」と感嘆しました。  擬人化した猫達が生き生きと江戸の風俗を体現していて楽しい。眺めて楽しい本でした。  『地獄絵を旅する』(太陽の地図貼)     地獄絵を旅する: 残酷・餓鬼・病・死体 (別冊太陽 太陽の地図帖 20)平凡社 2013-06-27 Amazonアソシエイト by  ひと時ブームになった「地獄絵」。その時に雨後のタケノコのように発行された本の一部なんじゃ…

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