10か月待って来た本を3日で読み終える

 諸行無常。待った10か月間よ…。  というわけで、本を読みました。  『僕の人生には事件が起きない』(岩井勇気・著)  僕の人生には事件が起きない [ 岩井 勇気 ] - 楽天ブックス  お笑いコンビ「ハライチ」の岩井さんのエッセイです。  芸人さんのエッセイは面白い。というのが定説でして、オードリーの若林さんのエッセイも借りたりしたんですが、そっちは読み終わる前に(正しくは開く前に)返してしまいまして。ひどいね、我ながら。  こちらは、せっかく10か月待ったので読みました。  おもしろかった。    とにかく岩井さんは「普通の人」なんだな。ってことがわかったのと、「でも、やっぱり普通じゃないな」ってことがわかりました。  個人的には、「保温性の高い水筒にあんかけラーメンのスープを入れて持ち歩き、エコっぽい人を演じつつ屋外でそれを飲む」という話が面白かったです。  あと、「あまり親しくもない(遊んだことのない)女性から自分の誕生日パーティーに来てほしいと誘われ、自分で描いた魚の絵(なんでそこで魚なん⁈)を持っていく話」とか。「珪藻土と自然薯にハマった話」とか。  読みたくなったでしょ。ふふふ。今なら、横浜市立図書館、私の後に124人待ってるから予約してください。  そして最後の「相方の話」が。なんというか。背筋がゾッとした。  うすら寒いものを感じるのもおかしな話かもしれないけれど。なんだか「こわっ。澤部さん、こわっ」ってなったのと…

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毒親育ちに読んでほしい

 まだ途中までしか読んでいないのだけれども。  『なんで僕に聞くんだろう』(幡野広志・著) なんで僕に聞くんだろう。 (幻冬舎単行本) - 幡野広志  幡野さん、難治性のがんになられて『これからの、ぼくにできること。』を上梓。その本がとても素晴らしかったので別の本も図書館で予約してて、ようやく回って来たの。  本書は、幡野さんに寄せられた人生相談にバシバシ答えている本。  あいかわらず、ぶった切ってる(笑)。  なんというか、この人は軽やかな文体、文章、透明な、澄んでいる、でも、とても人間らしい。  「人間らしい」というのは、温かみがあるって意味で、クスッと笑えるウィットに富み、でも、ある一線をきちんと引いて、相談者に決して飲み込まれない。  今、ちょうど母子家庭の母親が、「娘が非行に走り、どうしようもない」という相談をしている部分を読んでいる。  それの幡野さんの答え、第一声が「(前略)娘さんはあなたがものすごく嫌いなのでしょう」。  わー。わーわーわー。うん、たぶん、そう。笑。  『これからの、ぼくにできること。』を読んだときもそうだったけど、幡野さんの考えに通底している、「親と言えども害してくるなら距離を置け」「妻(夫)は唯一自らが選べる家族であるから、血縁よりも大事にしろ」という考え。私は大賛成だ。  私は毒親に育てられたわけじゃない(と、思う)。え、たぶん。  ただ、母のことは大好きだけれど、「母」だから好きなわけ…

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「普通」ができない人の気持ち

 図書館で、ずっと読みたいと思っていた本が書架にあったので借りてみました。 『夫のちんぽが入らない』(こだま・著) 夫のちんぽが入らない [ こだま ] - 楽天ブックス  一時期話題になって、ナタリーで記事を読んだのが知ったきっかけ。  もう、普通に「え。なんで入らないの?」という点が気になった。そして、「夫以外の人のは入る」ということであるらしく、「メンタル?フィジカル?」と気になった。  読んだら、そんなこと、いや、それこそが本書の本質なのかもしれないけれど、でも、確かに「そんなことどうでもいい」と思う本だった。  とにかく痛い。文章の淡々とした美しさがそれを際立たせ、とにかく私はこだまさんを抱きしめたくて仕方なかった。泣きそうになった。きっと、彼女にも心を開ける友達はいて、こうして文章にしたり同人誌を作ったりする仲間がいるのだろうから、私ごとき一読者がどうこうする相手じゃないのはわかっているのに、「どうして」と呟かざるを得なかった。もっと、うまいやりかたが、いろいろとあったろうに、と。そして、それは本書内でも彼女自身が呟いている。外野がとやかく言うことではない。  そもそも、毒親育ちである。ご本人もはっきりと母親から逃げたかったとおっしゃっているが、完璧な毒親。今は丸くなったそうだけど、毒親育ちの人が「今は年を経て丸くなった親を見て許そうと思う」と言うのを聞くたびに、「いや、嫌い抜いて良いのに。あなたは悪くないのに」っていつも思う。「親だから」という呪…

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たくましい女性と怪談

 図書館が利用可能になり、書架の間をゆっくりと歩くことの幸せがどれほど得難く、ありがたいものであったのか身に染みている今日この頃。  私としては、本はそんなに読んでいない方だと思うし、読んでいる人、ひいては「本が好きな人」からすると幼稚園児並みに読書してないマンなのですが、それでも本は好きだし、図書館はもっと好き。  ということで、最近借りて読んだ本の話。  『ミッキーたくまし』(西加奈子・著)  ミッキーたくまし - 西 加奈子  前作、『ミッキーかしまし』の第二弾。横浜市立図書館の蔵書にはすべて本のお尻(え、なんていう部分?下?)に入荷した年が押印されているのですが、「17」とあったので、「なんだ、3年前に入った本か。最近の本だな」と思って借りてみたら2009年に出版された本だった。騙された。図書館あるある。騙されたのは今回が初めてではない。  と言うわけで、内容を読んでいると「え。まだ西さんご結婚されてない?え?30歳になったばっかり?え?え?」ってなり、その弾けた若々しい文体に圧倒されました。    私は自分で言うのもナンですが、とにかく真面目に生きてきた公務員みたいな(比喩がおかしい)人生及び性格で、橋は叩いても渡らず叩きすぎて壊してから「クッソ、めんどい!」と川に飛び込むような人間なので、西さんみたいな破天荒というかえと、なんていうか、えと、そ、そう、自由な人に憧れがあります!  西さんなら、橋を叩くとかしないで「なんやのん、これー!」と爆笑して、橋を…

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自分は自分と言う会社の筆頭株主である。

 図書館は予約した本の貸し出しと返却だけですが、受け付けてくれています。これも1ヵ月全面閉鎖になるのかしら。  さて、先日予約していた本が来たので読みました。  『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(幡野広志・著)  ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。 - 広志, 幡野  34歳という若さで、お子さんが生まれたばかりなのに多発性骨髄腫の告知を受けたカメラマンである筆者が書いた手記です。  全面的首肯。頷きすぎて首モゲそう。  淡々とした読みやすい文章ながら、筆者の強い思いが深々と伝わってくる素晴らしい本でした。  「親に恩返ししなきゃいけないっていうのは嫌いだ」  確かにそう。子供は親を選べない。親は子供を作らないという選択もできるけど。だから、親は「家族」とみなすのではなく、「家族」というのは自分が選んだ人(配偶者)とその子であるべき。  毒親に苦しんでいる人は読んだ方が良いと思う。私は毒親育ちではないけれど、姉たちに蔑まれ、嫌われて育ったせいで、「姉妹といえども他人であり、人としての好悪は別にある」と思っている。  姉は私が妹であるという理由で私に親切にしてくれることは決してなかったし、たぶん、血のつながりがあろうとなかろうと私のことは嫌いだったに違いない。  昔から。子供のころから。「相手が自分のことを嫌いなのに、自分は相手のことを好きにならなきゃいけないのは理不尽である」と思っていた。率直かつわ…

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