けっきょく、なんだ?

 旦那さんが借りた本を読みました。  『女って何だ?』(カレー沢薫・著)   女って何だ?キノブックス 2018-04-18 カレー沢薫 Amazonアソシエイト  著者名を見れば一目瞭然ではありますが、フェミ本ではありません(笑)。  カレー沢さんが「担当から送られて来る○○系女子」について書いている態の本です。  いわゆる、「サバサバ系女子」とか「ゆるふわ系女子」とかそういうやつですね。むろん、カレー沢さんの本ですから、彼女らしい独自視点と言うか毒を吐いているように見えて誰も攻撃していないというしなやかさ。さすがです。  私も女性として生を受け、それなりに女性社会で生きてきたので概ね異議なし。それどころか「ここ、すごい当たってる!」と旦那さんに音読する場所も多々ありました。  ただ、「女子高、女きょうだい育ち」はなぁ…。いや…自分、三姉妹の男女比率1:9の高校卒でござんして。  女子高はね、いいよ。まじ。最高。私は中学で完全無敵なる男性恐怖症(男性嫌悪性)に陥ったため、なんとしても女性だけの学校に進学したく両親を説得するも、上の2人の姉が私立の女子高だったため、父親から「女子高にだけは行かないでくれ」と言われ(姉2人の素行の悪さで妹が迷惑したパターン。しかも、これは「遊ぶから」ではなく、「男っけがなくなるから」という逆張りの説得であった)、高校を選べるほどの成績でもないくせに知恵を絞って男女比率が普通高とは異なる農業高校に「これを学びたいため、進学…

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明日は我が身

 お昼ご飯の後から読み始めて、読み終わりました。  『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』(松浦晋也・著)     母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記日経BP社 松浦 晋也 Amazonアソシエイト  なんや、有名な本だったのか? 密林のアフェリエイトパーツ探したら、表紙だけじゃなくて何種類もあった…。  本書は、結婚歴のない50代男性が80代の同居していた母親を介護するルポなのですが。ただ一文「大変でした」のその5文字に込められている「大変さ」を想像すると、軽やかに読める本なだけに、空恐ろしいです。  作者の御母堂はアルツハイマー型の認知症で、症状がグングン進むのが読んでて怖かったです。今のところは私の両親共に認知症の気配はないものの、「あ、これは?」と思ったらあっという間にこうなるのか…。って考えると…。  「忘れる」って一口に言っても実感が沸かないけど、「こういうことか」と思ったのが、作者さんがはじめてお母さんに手を挙げてしまい、二人で叩きあい(殴り合いにはならなかった)時に、お母さんが口の中を切って血を出した際、「あれ?私、なんで血が出てるんだろ」と言ったそうなんです。その直前まで「息子に手を出された!母親を叩くなんて!」ってすごく怒っていたのに、叩かれたことすら忘れてしまうらしく。そして、その時に「忘れるからと言って、叩くのが常態化して虐待するようになったら大変だ」と気づけた作者さんは意を決して妹さんにSOSを発するわけです…

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いきもの社長と言葉俳句。

 買った本と借りた本と。  『ゆかいないきもの㊙図鑑』(ぬまがさワタリ・著)   ぬまがさワタリのゆかいないきもの?図鑑西東社 ぬまがさワタリ Amazonアソシエイト  ウワーッ(←あいさつ。)でおなじみの、ぬまがさワタリさんの本です。以前、『絶滅どうぶつ図鑑』を買ったときに、この本が出ているのを知りまして、しかして両方買うなんて贅沢に過ぎると畏れた私は図書館で予約をしておりました。だがしかし。人気のある本のため、予約がいっかな回って来ず、すっかり忘れていたところで本屋にて出会い、旦那さんと友人が左右から「買っちゃいなよ」とサラウンド方式で言うので買いました。後悔はしてない。  今まで読んだ本の中で、一番ボリュームがありますね。お買い得感があるから、どれを買ったら良いか迷っているならこれにしろ。と、思います(面白さなどは暫時違いますが)。  相変わらず絵が可愛いのとコメントがおもしろくて、エピソードを読んでからタブレットでその動物を検索しては「おお、絵の通りだ。素晴らしい」などと感銘を受けておりました(たぶん嫌な読者の典型)。  地上の動物も、海の動物も、空の動物も、まんべんなくたくさん出てくるし、身近な動物や名前も知らない動物、本当にたくさんで楽しい。  そうだった…おいら…図鑑が好きなんやった…(唐突の告白)。気が向いたところからめくって眺めても良いし、素敵な良書。ぬまがささん、これからも応援してます!  『腐男子社長』(カ…

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最近のこと

 前に書いたのが13日か。やはりぼやぼやしていると1週間くらいあっという間ですね。  最近は何をしているかと言うと、「どうぶつの森」をやったり、相変わらずの「しまぐらし」、それから無料動画アプリで猫画像か大食い画像か料理作ってる画像を見ています。  最近は「ねこのデュフィ」というYoutubeチャンネルが好きです。  北海道在住の主さん(男性)と、猫のデュフィちゃんの動画。主さんがイケメン(ポイント高い)。主さんの声が素敵(ポイント更に追加)。そしてやはり、デュフィちゃんがものすごくかわいい(それに尽きる)。  お名前の由来は、フランスの画家ラウル・デュフィさんから取ったそうです。  ラウル・デュフィといえば、中井先生が著作の中で「精神科病棟に飾るのに不向きな画家の絵」としてその名を挙げていましたね、そういえば(笑)。  「色彩の魔術師」とも呼ばれており、色鮮やかなのですが、精神が疲れている人が見ると賑やか過ぎて刺激が強いのでしょう。ちなみに私も少し苦手です(^^ゞ  つか、「ラウル」って名前の方が呼びやすくて良かったのではないかとふと思ったりして。  中井先生の本も読んでいます。たまたまみつけた『中井久夫』という本を図書館で予約してちびちび読んでますが。   中井久夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)河出書房新社 2017-05-12 Amazonアソシエイト  これは中井先生の著作を紹介したり、お人柄を紹介するムック本…

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私には文字がある。

 某文学賞の応募作品数が4ケタと知ったら、とたんに「こりゃ無理も無理」という気になって、却ってホッとしたヘタレでございます。  むろん、応募作品数が3ケタだろうが2ケタだろうが、無理なもんは無理で、分母が多ければ戦う相手も多いから勝率も悪くなるだろうけれど、それよりも心象として「こりゃ無理だ」と出す前からすんなり受け入れたので精神的に楽になりました(笑)。  せきしろさんの『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』を読了しました。   1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった双葉社 せきしろ Amazonアソシエイト  東京の大学を受験すると嘘を吐いて上京し、受験することなく予備校に通うからという嘘を吐いてそのまま東京に残るという、おおよそ真似できないことをしでかしていた19歳のせきしろ青年。  ハガキ職人となり、公開録音で仲良くなった友人のハガキ職人にネタを取られるという下りは見ていて胸が痛くなりましたが、「でも!せきしろさんのネタで1回ウケたって、その人の力じゃないから!それで認められたって、次からは自分の力で戦ってかなきゃいけないんだからボロが出るよ!」って思った。  私の若い頃も、よくよく思い返せば先を見ないむちゃくちゃなものでした。  でも、私の世代だと、「女の子は家事手伝い(と言う名のニート)」ってたくさんいて、幼馴染の高校の友達は7人くらいでつるんでいたけれど、3人くらいしか働いていなかったもん。そして、結婚し…

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某文豪ですから、アナログです。

 某文豪の名前がついた文学賞があり、私の敬愛する最愛の作家さまがそちらの出身で選者になったという情報を旦那さんからもらい、受賞できるとは微塵も思っていないが(そんなもの、ハナが生き返って「ねえね!あたし、喋れるようになったよ。猫又になったの!」と我が家を訪ねて来るのと同じくらい無理だと思っている)、もしかしたら、なんらか、文字の一文字でも、その作家さんの目にちらりと入れば、なにそれ、すげー幸せなんですけど、って気持ちで、募集要項を見てみた。  したらば。  「原稿用紙50枚~300枚。ワープロ原稿の場合は(以下書式)で印字。」  わわわわわーぷろ原稿!!!  どきどき。ええ、今時、ワープロ使っている方、どれほどいるの?つか、ワープロがどんな物体だか、若い子は知っているの?  つか、結局、紙で送れってか!!!  直筆とか読むのむちゃくちゃ大変そうなのに……。  ええ、打ち出すのかぁ(めんどい)。  文字数に換算すると、400×50=20000文字から、400×300=120000文字。すっげ幅がある上に、1枚1200文字で書くのだから(ワープロ原稿の場合)、最高で100枚?  100枚も!紙?!!!!  大丈夫なの?出版社、潰れない?(重さで)。  なんかさ、大丈夫なのかな。いろいろ。  とりあえず、こちらで用意してある原稿は7万字程度なので規定内に収まっておりますけれども。おりますけれどもっ!!!  ちょっと、先が遠…

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完成!

『となりのできごと』、出来上がりましたあああ!!! 嬉しいー!! ⇧表紙 ⇩裏表紙 6本の短編集で、102ページ。 嬉しい!!!

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整え!自律神経!!

 立ちくらみ、電車の中で起こる貧血に似たパニック発作のような症状、偏頭痛、微熱、倦怠感、身体の痛み、これらをネットでググると、全ては一つの言葉に行きつきます。  「自律神経失調症」  なぞな症状は全て「自律神経失調症」で説明がつき、原因は全て「ストレス」。なにこのテンプレ。  まあ、仕事をしている頃は自他共に認める「ストレス漬け」みたいな状態で、胃もココロもボロボロでしたが、専業主婦で生きている今、「なんでストレスがたまるねん!」と思うわけです。  生活が一変して、ストレスも雲散霧消し、具合が良くなるんじゃなかったんかい!!  しかし、体重は減少の一途をたどり、今朝は見たことない数字になっていて「うわぉ」と声が出ました。  1年で4キロ以上痩せたよ。うほ。  それから、この年齢(アラフォー)ですから、「更年期障害」という、新たな病名も燦然と輝きます。  過剰なイライラやホットフラッシュ、動悸、のような陽性症状は皆無ですけど、どうやらホルモンバランスが乱れると自律神経も失調して、微熱や立ちくらみ、偏頭痛も出るんですって。  前の職場でものすごくアンニュイな人がいたのだけれど、その人も更年期で(私より4つ年上)、産婦人科でホルモン値を測ってもらったら基準の半分以下だったそうで、充てん両方をしていました。  「すごいだるくてやる気ないから行ったんだけど~」とアンニュイな顔で言い、「治療したら良くなります?」って聞いた私に、「えええ~。ぜぇんぜん変わんなぁ~…

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ぼんやりと。

 津村記久子さんの『ディス・イズ・ザ・デイ』を読み終わりました。   ディス・イズ・ザ・デイ朝日新聞出版 2018-06-07 津村記久子 Amazonアソシエイト  津村さんらしい、というか。とても面白かったし、元気になりました。  J2リーグのファンである登場人物たちが試合を見に行く話なのですが、チームを応援する動機や理由はそれぞれで、一話につき、その対戦同士のファンが絡む話になっています。  一番最初の話で、弘前のサポーターの子がいて、その人が旦那さんの昔にやや似ている境遇でして(笑)。  言葉の端々に津軽弁が出てしまう所がたまらなく可愛かったです。当の旦那さん曰く、「俺はあんなに明るくなかったけどね」とのことでしたが、なんというか、とても素敵なキャラクターでした。  先に読了した旦那さんと話をしていたら、二人とも土佐のチームの話が好きということがわかって、「いいよね、あれ」と語りあえました。こういうのは本当に嬉しい。  いろんな人がいて、いろんなことで悩んでいて、でも、みんなサッカーが好きで、胸アツの素晴らしい小説でした。  自分も小説を書いている訳ですが、こう、数少ない友人と旦那さんに読んでもらうだけの同人誌を作っているだけで、なんら生産的でないというか、やってても仕方ないんじゃないかって気持ちになります。  自分の中では、きちんと働いて家事もこなしてそれなりに遊ぶ人が最上級に偉くて、そうでなくなった自分は駄目な人間になったという感…

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本を読む

 小説を書いている間は小説を読まないというポリシーがあったのですが、そんなものは横に置いて小説を読んでいました(笑)。  『パーマネント神喜劇』(万城目学・著)   パーマネント神喜劇新潮社 万城目 学 Amazonアソシエイト  万城目さんの新刊(なのか?)。図書館の返却棚(返した本がまとめられており、そこから職員さんが棚に返す。借りても読んでも良し。返ってきたての本があるので、新刊がポロリとあることも)にあったので、借りてしまったのです。  万城目さんは、本当に小説が上手だなあというか、まとまっているなあというか、ええと、好き!!(いきなりの告白)。  やっぱり好き。とても好き。おもしろかった。目指したいのは万城目さんのテイストだが、自分の低い学力やセンスでは無理すぎて、「ここは目指すべきではないな」と、早い段階で諦めたので自分の執筆中でも読めるという。  他方で、舞城王太郎さんのように、「え、ここで?終わる、の?」みたいな、バシャーンっていろんなものを広げて片付けずに走って終わる。みたいな小説も、えと、王太郎さんに限っては好き。そう、基本的には万城目さんみたいな優等生っぽい小説が好きなのでした。  万城目さんはサラダ油。王太郎さんはピーナッツオイル。ついでに、津村さんは太白ゴマ油(ただの胡麻油ではない。透明な、最高級の胡麻油である。なんで胡麻油なのか問われれば、それは私が胡麻油が大好きだからだ。そんなに深い意味はない)。    …

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本が届いた!

小説本、届いたー(正しくはコンビニに取りに行った)。 表紙、こんな感じー。 裏表紙、こんなんー。

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おかげさまをもちまして!

 誰も待っていないけれども、今回も小説の入稿を無事に終えることができました。  やれやれです。前回よりも「あわわ。どうやったら!」みたいなことはなかったけど、まるっと手順を忘れていて、次からはフローチャートを作成するのでサクサクできるようになりたいです(笑)。  完成して到着するのは9月11日予定。これで、「仕事をする前にもう一冊」という目標が叶いました。←早く仕事しろ。  今回も5部しか刷らんし、前回配った人達に送りつけ商法(無料)するつもり。  それにしても、印刷代安すぎやしないか。大丈夫なのか。コピーで刷っても90ページの本を5部って、4500円。両面で刷っても2250円? それが、印刷代だけだと1700円で、送料を含むから2360円(オプションで遊び紙を2枚つけちゃいました。てへ。10円プラス←)。紙だってタダじゃないのになあ。頑張るなあ。ありがたい話です。  まあ、送っちゃったので、「ああああ」ってことがあっても知らぬ。  入稿お祝いにケーキ食べたい。

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ホラーと言うより、「怖い話」

 加門七海さんの本を読んでいました。  『霊能動物館』(加門七海・著)   霊能動物館集英社 加門 七海 Amazonアソシエイト by  狼や狐など、様々な動物を日本における「神」や「遣い」などの霊能的観点から考察した本。狼と犬の違い、神の遣いとしての狐と人を騙す狐の差異など。なかなか面白かったです。  作中に出てきた本で、「うお。すげえ」と思って図書館で頼んだ本が今日届きまして、お迎えに行きました。  『憑きもの持ち迷信』(速水保孝・著)。自ら「狐憑きの家筋」に生まれた速水氏の、憑きもの持ちと言われるがための差別や迷信などを書いた本であるそうな。  1999年に発行された本で、この本を出版している明石書店のラインナップを見たら、『史料で語る四国の部落史』『賤民身分論』『日本奴隷史』『仏教徒部落問題関係史料集成』『中世の非人と遊女』など、むちゃくちゃ濃いタイトルが並んでおります(笑)。これは、これから読む。  話がズレた。加門さんの本の方ね。  加門さんご本人が「見える」人であるので、体験記もたくさん載っています。動物の民俗学的考察は昔から好きでいろいろと読んでいるので、読みやすくてサクサク読んで終わった。怖い本ではありませんでした。  『たてもの怪談』(加門七海・著)   たてもの怪談エクスナレッジ 2016-08-03 加門 七海 Amazonアソシエイト by  こっちはもう少しオーソ…

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そういうふうにできている。

 本を読みました。  『怪のはなし』(加門七海・著) 怪のはなし (集英社文庫)集英社 2011-12-15 加門 七海 Amazonアソシエイト by  加門七海さんは若いころからよく読んでいる作家さんなので、それを知っている旦那さんが図書館で「これ、読んだことある?」と見つけてくれ、「ないかもー」ってあまり考えずに借りてみた怪談本。  加門さんのホラー系の本にハズレなし。王道の、「ご本人体験話」だし。  其ノ十四の「猫の話」が良かったです。ボロボロで「よくないもの」である猫の姿のナニカが、加門さんが気にかけたり撫でたりすることで毛並みがピカピカになっていく。とか、猫好きとしてはぐっときた。  「動物霊に下手な情けは無用」というのが界隈での常套句ではありますが、私も路上で事故死している動物(種類問わず)を見かけると、般若心経をお唱えするのが常でありますから、「猫の霊がとり憑くなら来ればいい!大歓迎じゃ!」という、同じ気持ちの人がいるのは心強いです(笑)。  読みやすいので借りたその日に読んじゃいました。  『ダーリンは71歳』(西原理恵子・著) ダーリンは71歳 (コミックス単行本)小学館 西原 理恵子 Amazonアソシエイト by  これも図書館にあったので借りてみた。西原さんは旦那さんが昔から好きだし。私も好きだし。  西原さんの漫画は毒舌とか罵詈雑言に満ちている中で、ふと、むっちゃくちゃ優しくて…

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「癒える」と「治る」

 中井先生の「考える患者シリーズ」の3巻目を借りて読みました。  『統合失調症は癒える(中井久夫と考える患者シリーズ3)』(中井久夫・監修解説)   統合失調症は癒える (中井久夫と考える患者シリーズ 3)ラグーナ出版 2017-10-17 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  今回も元患者・患者さん達が中井先生の言葉を読みながら自分の事を語る形式です。  中井先生の言葉は的確で優しく、まじ癒されますわ(笑)。  本書のタイトルについて、わざと「治る」ではなく「癒える」としたそうです。「はじめに」と題された森越まや先生(精神科医)の言葉は中井先生の言葉を引いて以下の通り。  ある患者は「病気になったとき将来はないと絶望したけれど、その先に違う未来があった」と語った。統合失調症は完治する人もいれば、さまざまな衆生を抱え続ける人もいる。”絶望”は「治す」ものではなく「癒す」ものであろう。  症状のすべてをきれいさっぱり取り除くことが患者に対して本当に良い事なのかということもある。「神の声」が聞こえていても、本人もそれを取り巻く社会も何も困っていないのであれば、それは「抱えて生きる」で良いと思う。そこまで中井先生は考えておられる(感服)。  相変わらず金言がたくさんでした。  病気になる人の場合は心身の警報が弱いか無視する習性が身についた人だということができるかもしれない。このマイナスを本人や周囲が「がんばれる人」とプラス…

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水中翼船炎上中

 なんだかここ二週間くらい忙しくて。放置しっぱなしでした。ここ。  本を読みました。旦那さんが職場から興奮気味に「穂村さんの歌集が出る!17年ぶりだって!!帰りに本屋に寄って買って帰るね!」とメールが来て、「17年ぶりって!」って唖然とした(もっと歌集を出せ)穂村弘最新作です。  『水中翼船炎上中』(穂村弘・著)   水中翼船炎上中講談社 穂村 弘 Amazonアソシエイト by  表紙のパターンは3つ。裏表紙も3つ。裏表で計9つのパターンの装丁があるそうです。我が家はこれだったので、同じ表紙のを張り付けてみました。    って。17年ぶりですってよ!17年ぶり!!もう!!ほむほむ!もっと出して!!  「いい!」と思った短歌に附箋をつけたら附箋がいっぱいになった本でしたが、いっぱい書き出します。  注・太字は穂村弘氏の短歌です。引用させてもらいました。次にある文は私が思ったことです。  何もせず過ぎてしまったいちにちのおわりににぎっている膝の皿  わかりすぎて胸が痛い(苦笑)。専業主婦あるあるか。自分の膝を握っているとき、それは後悔なのか苦しさなのか茫然たる気持ちなのか。  なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間  「なに年だっけ?え、申?そうだっけ?」みたいな会話。年末の年賀状を作るとき、母が年女だと知って「早いねー」と言ってみたり。  猫はなぜ巣をつくらないこんなに…

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「ブス」という呪文

 旦那さんが好きだそうで、カレー沢薫さんの本を読みました。  『ブスの本懐』(カレー沢薫・著)   ブスの本懐太田出版 カレー沢 薫 Amazonアソシエイト by  私は泣く子も黙る正統派ブスなので、この本は「あるある」と頷きすぎて顎がガクガクした。もう大変。  バッサバッサと斬って捨てるさまを、「ひどい」と取るか、「おもろい」と取るか。私は完全に後者で、「語彙力すげぇ」とただただ感心するのみでした。  本の帯にもある通り、「みんな違って、みんなブス」や、「『ブスだけどモテる』と言われている女は、5億%ブスではない」など、名言が乱発乱立阿鼻叫喚です。  まあ、この年にもなるとね、ブスの上にババアという、最強のBBになるため、別に気にもせず。長年ブスで生きていると、処世術(という名のスルースキル)も身に着くのです。  あー、でも、「鏡を見ないブス」ってのはキたなー。私、完全にそうだもん。鏡を見ると自分の顔が見えるわけで、そら見ないっての。見たくない(笑)。  私はブスですが、私自身は可愛い人が好きです。友達諸氏はみな可愛いのでデゥフェェって感じ。なにせ、自分のブス面は自分には常時見えているわけではありませんが、話をしている他人の顔は目に入るわけですからね。友人の目をつぶししといて何言ってやがるんだと思いますが、真理なので仕方ありません。あきらめろ、友人!  本書の中で一番ぴったりとハマったのが、  「恋愛、結婚においても、全世界の…

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『タマゴノヒト』無事に到着

 15日に到着予定の小説が!本日5月12日(織田信長の誕生日!!)に!!  我が家へ届きました!!(感無量!)  表紙はこんな感じです。メディバンありがとうぅ!    裏表紙は簡素です。    中身はこんなん。    今回、段組みは「楽猫堂」さんというサイトから頂戴しました。ちょうど良かったです。フリー素材ながら、とてもわかりやすく親切で地の文章も楽しく、もう、足を向けて寝られんどころの話ではありません。  本文の用紙は、小説本用の、少し黄色い紙にしました。なんか、ホンモノの小説っぽくて嬉しい(いや、小説なのではあるが)。  表紙の解像度は正直荒くて、裏表紙とか模様がアレになってるんだけど、まあ、文句は言わない。そういうもんだと思っておこう。  はー。嬉しい。とっても嬉しい。 内容としては、「卵の特売日に起きた、お客と店員の悲喜こもごも」ってとこですかねー。そう言うと全然面白くなさそうだけど、まあ、そんな内容です(笑)。  と、言う訳で、欲しい方はご連絡ください(笑)。  

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たまには立ち止まり、何もないも良し。

 本の備忘録です。  『太陽と乙女』(森見登美彦・著) 太陽と乙女新潮社 森見 登美彦 Amazonアソシエイト by  旦那さんが借りていたのを読ませてもらった。森見さんのいろいろが詰まったエッセイです。  この本を読んでから、旦那さんは人知れず誰にも見せない日記をパソコンで書いているようです。  私も、この本に感銘を受けました。  約二年間ほど、休養していた森見さん。「森見さんも言ってたけどさ」と前置きして、旦那さんが私に教えてくれた言葉が最後の最後に載っていました。    「何もなくてもいい」  何もできなかった時期について意味を見出す、それすらもしなくていい。  充電期間は大切だったとか後から言いたくなったり、怠ける(と自分では思い込んでしまう時間の経過)に、これは必要だったとか言いたくなるけれども、それはその時間でしかなく、「そういうもんだった」と思えばいい。特別な色を付ける必要はない。  目からウロコで、そうだなって思いました。人生は長いようで短い。無為に過ごすことのないようにと尻に火がついて焦ってしまう自分にとって、「まあ、いいじゃん」って気持ちでいることはとても重要なのです。  それから、小説の書き方、自分が書くときの進め方なんかもとても参考になりおもしろかったです。  敬愛する津村記久子さんもメモ魔で、たくさんメモを取ってらっしゃるとお聞きしました(読みました)。森見さんも、メモを取りまくるタイプだそうです。  ……

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横浜の街角で塩昆布ときのこ

 本の備忘録です。  『横浜ルール』(都会生活研究所プロジェクト「横浜チーム」著)   横浜ルールKADOKAWA/中経出版 2015-03-21 都会生活研究プロジェクト[横浜チーム] Amazonアソシエイト by  街ごとにカラーがある。その、地域色というか「横浜ルール」「横浜あるある」をまとめた軽い本です。  同じように『大阪ルール』や『博多ルール』なんてのもあるらしいです。  生まれは新宿区ではありますが、実際、生まれた早稲田は「おじいちゃん家」って認識しかなく、私は生粋の「ハマっ子」と自認しております。  なので、「あー。あるあるある」がたくさんで面白かったです。つか、「え。これ、横浜だけなの?」もあって楽しかった(笑)。  逆に、いわく因縁付の「ア・テスト」なんて、今の若い子は知らんだろうしなー(我々一定以上の年齢を過ぎた横浜市民は中学二年生の時に受けるテストで今後の人生を割り振られていたのだ!)。  「横浜市歌を歌える」というのも、「行事の際には校歌とセットで歌わされたから」であり、それは今もやってるか知らんし。  この本にも載っていたけど、個人的に思う横浜市民の特徴。  1、出身地を問われると「横浜」と答える。県名は答えない。横浜市民が一番嫌いな質問は、「横浜のどのあたり?」である。答えようがない。また、答えたところで区名とか言ってわかるんか、お前は。  2、「焼売」は「シウマイ」である。譲れない。  3、F…

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蟻のように働き、鷹のように見る。

 どうしてF市の図書館は蔵書が変なんだろう(褒めてます)。蔵書数で言ったら、政令指定都市である我が横浜市の方が多いはずなのに、いつもお隣の市の図書館で面白い本を見つけます。  この本も、見つけた時は「やった!やったよぉおー♪お~おおお~♪はじめてのチュウ~」と脳内に無限ループするくらい嬉しかったわけですが。  なんぞ、すごい本だった(いろんな意味で)。  『被差別民とその部落の起こりと歴史―被差別部落法制定史と人権―』(山中順雅・著)   被差別民とその部落の起こりと歴史―被差別部落法制史と人権国書刊行会 山中 順雅 Amazonアソシエイト by  わー。Amazonにあったー!納豆ご飯の本はなかったのにぃ!!←  ええと。さて。私は以前より同和問題に興味がありまして、様々本を読みました。  なんで同和問題に興味があるのかと言うと、「同じ日本国民でありながら、どうして差別される人達がいるのか皆目わからん」と思ったからです。どんな暮らしをしていたのかとか、どんな目に遭っていたのかとか、そういうことは後からで、「え。なに?なんで?」ってずーっと思ってたんです。  私は東京生まれの横浜育ち。周りに被差別者はいませんでした。世代的なことがあるのかな?どうなんだろ。「あの人は○○だから」みたいな言葉は聞いたことないし、授業で習った覚えもほとんどない。むろん親戚一同自分自身も友達にも差別で苦しんでいる(苦しんでいた)人はいない。  だからこそ、「…

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乙女スーパー納豆ご飯

 本の備忘録です。  『世界で一番乙女な生きもの』(光浦靖子・著)   世界で一番乙女な生きもの宝島社 光浦 靖子 Amazonアソシエイト by  芸人さんの、光浦靖子さんのエッセイです。2007年から『mini』という雑誌で連載していたものをまとめた本。2010年に出版されてた。図書館に入ったのが2016年なんだけど…。なんだろ。誰かリクエストでもしたのかな?  2016年に入った本なら最近の本であろうと借りてみたら10年以上前の話だったので「お、おう」ってなったよ(笑)。  今の光浦さんとはまた違っているのかもしれません。が。面白かったです。芸人さんの文章は面白いですね。逆に、黒沢さんとか「この頃から今まで全然変わってなくね?」って人もいて、それはそれでまた楽しい。  あふれ出る母性を、有野さんの娘さんや甥っ子くんで発散する話がありましたが、生まれてこの方母性なるものが溢れ出たことがない身としては、「ほ、ほほう」と思ったよね。  仕事で生まれたてに近い赤ん坊を抱っこしたり、もうちょっと育った(ただし自力で座れないくらいの月齢)の赤子を抱っこすることは多々あったけど、「あああ。かわいぃぃ」って思ったことはなかったし、「これ殴るとか、虐待する人ってスゲエな」って思う程度。あれは殴れないよ。さすがに。でも、他方で、床にえーい!と投げつけたらどうなるんだろう、と悪魔がささやく時もあったよね。母性…旦那さんがかわいくて仕方なくて頭を撫でたりするのは母性のなせる…

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いろんな人がいる。

 雪が降ると聞いていたので、昨日までに買い物とか済ませて家籠りするつもりが。  降らねえじゃん。  というわけで、朝早く起きたことだし(旦那さんが早番なので)、いっちょ図書館でも行ってくるっぺか。と思って、F市総合図書館まで原チャリ飛ばしてばびゅーんと行ってきました。  住んでる市の中央図書館へ行くには電車に乗らんと行かれんのに、隣の市の総合図書館へは原チャリで行けるという辺境っぷり。なんなら、別の市の図書館だって原チャリで行けるぜ!!  借りてきた本、読んじゃいました。  『年収150万円一家 毎日のこんだて』(森川弘子・著)   年収150万円一家 毎日のこんだてメディアファクトリー 森川 弘子 Amazonアソシエイト by  コミックエッセイ。年収150万円でも一家三人(幼稚園生の娘さんがいる)で楽しく暮らしている著者さんの、毎日のご飯本。  パンの耳、と言っても食パンの端っこなんですが、それを料理するレシピとか無料ないし格安で手に入る食材を美味しそうに手間をかけて料理してらっしゃる。  ヤフコメで「貧乏っつーんなら節約しないで嫁が働けよ」という意見があり、「いやいや、まあまあ、お金がないと嘆くにも深刻度は人それぞれだし、QOLが高ければ構わないんじゃないのん?節約も楽しいぜ」と思ったことがありまして、森川さんはそれを実践している人であるなと思いましたよ。  丁寧に手をかけて料理すれば、買わずに済むものもたくさんあるし、仕事してな…

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すてき図鑑

 ツイッターで知ってから、ずっと好きだった人の!!書籍化!!  出版されるとご本人のツイートで知ってから「いつ出るんだっけ」と思いながら本屋に行くたびに探していたら、どうやら15日に発売されたらしいです。  新宿のブックファーストをさまよい、児童向け図鑑の棚で見つけました。  児童向け?!まじで?!  いや、児童向けと言えば児童向けだけど、ネタ的には同年代向けな気がするんだけどね?  あ、密林でも売ってた!!こっちも貼りつけておくよ! 図解 なんかへんな生きもの光文社 ぬまがさワタリ(絵・文) Amazonアソシエイト by  トップオブ・最の高。  SNSから書籍化する人は数多くおり、キューライスさんのネコノヒーの漫画も欲しかったのだけれど、それは買わなくても我慢できた。  でも、これは買わないという選択はなかった。なぜなら、舐めるように見たいからだ!!  すごく楽しい。好き。うひひ。  とにかく、ぬまがささん、文章が上手で、私はこの方の文章が絵と同じくらい好きです。  まえがきとあとがきの秀逸さ。モロ好みの文章をお書きになる。好き。好きです(真顔)。  大好きなハエトリクモちゃんがいて嬉しかった(感涙)。  一家に一冊。携帯必須。第二弾も熱烈にお待ち申し上げています!!!!!

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本の備忘録

 中井先生の本が届いたので読んだのだった(忘れてた)。  『統合失調症をほどく』(中井久夫・著) 統合失調症をほどく (中井久夫と考える患者シリーズ2)ラグーナ出版 2016-09-12 中井久夫 Amazonアソシエイト by  副題の「中井久夫と考える患者シリーズ」とあるように、以前読んだ『統合失調症をたどる』の第二弾です。  『たどる』の方は最寄りの図書館にあるのに、『ほどく』は入ってなくて予約して借りたん。  なにせ、この、『たどる』で中井先生を知ることになったので、楽しみでありました。  ラグーナ出版という出版社自体が、元統合失調症患者さん、もしくは現在も患っている当事者さん達が働いている出版社です。  中井先生の書物を読みながら、中井先生が「これこれこうです」と書いてらっしゃるのを、元当事者さん達が「確かに自分の時はこれこれこうだった」と考察を重ねているのが主軸になっています。そこは第一弾と同じ。  なので、中井先生の書き下ろしという感じではなく、過去の名著から引っ張ってきているため、私のようなマニアには読んだことがある内容ではありますが、それにしても素晴らしかったので全然問題ないっす。  一番最後のQ&Aは書き下ろしなのかな。統失当事者さんからの質問に、中井先生がお答えになっている。  「社会からの偏見とかがつらいです。どうしたらいいですか?」みたいな質問へは、「そんなこと気にしないでよろしい」と一文、バシーっとおっしゃってた…

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 津村さんの作品を2冊、読みました。  『アレグリアとは仕事はできない』(津村記久子・著) アレグリアとは仕事はできない筑摩書房 津村 記久子 Amazonアソシエイト by  アレグリアさんていう外国人の女性でも出てくるのかと思いきや、複合機の名前でした(笑)。  主人公さんに対して、「あー。わかるわかる」な部分と、「やー、それは憤り過ぎだよ」という部分とがありつつ、これは今の作風に近い感じ。基本的に最悪な人は出て来ず(いや、出てきたか…)、少々もやもやしながらも終わる。  続く中編は。これは。えと。つらい。つらいつらいつらい。  先んじて読んでいた旦那さんから「つらい」と聞き及んではおったが、つらい。ううう。つらい。  後述する『君は永遠に~』にも書いてあったし、時折出てくる文章で、「お互いに全く知らないのに、こちらは一方的にとてもよく知っている人」がギュウギュウになっている満員電車。  高校時代にはこれでも(?)痴漢に遭ったことが数回あり(小さい頃にデパートの階段で露出狂の洗礼を受けて以来、なぜか露出狂のアタリが多い。見たくないっちゅーの!)、なんか、もぎゃー!っていうか、むぎゃー!!ってなったまま終わった。ううむ。  初期作品はセンセーショナルと言うか、強い。  でも、その若々しさとか、働きながら夜中(夜明け)に書いていた光景を思い浮かべると、後ろから力強く抱きしめたり温かいオニオンスープを用意したり共に布団に転がって「ふーとー…

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 これからは本も読み放題!うほー!!  『まぬけなこよみ』(津村記久子・著)   まぬけなこよみ平凡社 津村 記久子 Amazonアソシエイト by  津村さんのエッセイ。間違いなくおもしろい。  本当に。共感しかない(笑)。  津村さんの書く文章の軽快さが、エッセイでは爆発しまくりで、「この人の文章は本当に楽しくて好きだ!」という思いを強めました。  ご本人の趣味にまつわる事、おでかけしたこと、幼い頃のこと、会社員だったころのこと。  あとがきに、子供の頃の事や父方のお祖母様のことなど、「そんなに不幸でもなかった、と思いだすことは、自分にとっては大きな前進になったし、」とあり、それは私も日々のことをつづる上で感じることであるなと思います。  昔の事とか、思い出しながら書くと違う面が見える。そうだったか、自分。みたいな。  どこからどう読んでも楽しいこの本。時折笑い声が漏れるので読む場所には要注意。  津村さんのエッセイを読むと、「私もこんな楽しい文章が書きたい」と思うし、「この人とお友達になりたい」と思う。津村さんの方は私みたいなんと仲良くなりたくないだろうけど。  『家族の表象 中井久夫集2』(中井久夫・著)       中井久夫集 3 『世界における索引と徴候――1987-1991』(全11巻・第3回)みすず書房 中井 久夫 Amazonアソシエイト by  中井先生の全集の2巻…

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 読んだ本の事です。  『山怪2』(田中康弘・著) (山怪 続編) 山怪 弐 山人が語る不思議な話 続編山と渓谷社 2017-01-19 田中康弘 Amazonアソシエイト by  前回おもしろかったので、続編を予約し、来たから読んだという感じ。  今回も山に暮らす人たちが語った怪異もりだくさんでおもしろかったです。  山の神性が失われて久しいとは申せ、やはり山は異界であり、畏怖の対象であらねばと思います。  さくさく読めるし、お勧めですな!  『究極日本の聖地』(鎌田東二・著)   究極 日本の聖地KADOKAWA/中経出版 Amazonアソシエイト by  神道畑の人らしく、存じ上げなかったんですが、返却棚で見かけておもしろそうだと思い、借りてみました。  「聖地」の起源や役割から丁寧に考察を進め、第二部からは実際に行かれた(らしい)日本各地の聖地を紹介してあります。  分け方が、「神道の聖地」「仏教の聖地」「修験道の聖地」「沖縄・アイヌの聖地」「新宗教の聖地」と、非常に理にかなっています。そこをごっちゃにすると訳わからん。むろん、神道と仏教は絶妙に混和しており、仏教の聖地たる比叡山でも神道の聖地日吉大社があるなど、そこは日本らしいごちゃまぜ感がありますけどね。  著者さんは京都東山の山々を歩きまくる聖地マニアで、御自身も修行をされている。  前半の神仏習合についての考察などが非常にわかりや…

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 仕事がヒマなので、本を読んでいます(仕事しろ。いや、あと少しだから好きにさせてくれ←どっちやねん)。  『八番筋カウンシル』(津村記久子・著)   八番筋カウンシル朝日新聞出版 津村 記久子 Amazonアソシエイト by    津村さんの長編。  八番筋とも呼ばれる大阪の商店街の話。嫌な人も出てくるけれど、そこは津村さんらしくまとめてあって面白いです。  しかし、津村さんの描く主人公達は、たいていシングルマザーに育てられた人達だなあ。  父親が死んでいるのは良い方で、大概は働かなかったり事業をつぶしたり暴力を振るったりするダメでクズな男ばかり。ちゃんとしたお父さんもいますよ!と思わず声をかけたくなる(笑)。  それと、「仕事をしながらカフェを開きたいと思っていて、実際、カフェをやる女の人」がいる。津村さん、カフェ開きたいんだろうか。  ああ、でもね。そうは言っても、キャラが同じようだとかそういうことではなく、全然飽きないし面白い。  似た境遇ではあるけれど、みなそれぞれに悩みが違ってて、一生懸命生きている感じがある。  津村さんの書評として西加奈子さんが「優しい」と言っていたけど、ほんとそれ。津村さんの小説は優しさを感じる。  あれこれあっても、それでも生きて行くんだろうなっていう、こう、「私もがんばろう!」みたいな読後感の小説でした。  『京都魔界地図』(綾辻行人・著)   京都魔界地図PHP研究所 綾辻 行人 Amazonア…

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怖い話を怖くない家で

 今住んでいる家は、築20年を軽く越える木造アパートなのに、全く家鳴りが起きない。  二階に住む人がドタンバタンと大きな音を立てるのは日常茶飯事で、生活音は聞こえるが、聞きなれた「パン!」「ピキィー」という音はない。  おまけに、どこにいても背後が気にならない。一人で留守番していても怖くない。  これ、めちゃくちゃすごいことでっせ。  と、ヤバイ実家に住んでいた私はものすごく嬉しい。  実家は、正直、ヤバかった。  私が20歳の頃建て替え、1/10くらいになり、ハナが来てからは一層平気にはなったが(そのハナも旅立ってしまったし)、未だに自室にいると、誰もいない二階を子供と思しき軽さのパタパタという足音が天井を走る。  はっきり言って、そのくらいなんでもねえよ。というほど、建て替え前の実家はヤバかった。  今は怖くない家に住んでいる。  なので、怖い話の本も家で読める(昔は家で読めなかったので、図書館で耳袋などを読んでいた。あ、そうです。怖い話し系はすごく好きなんです。怖い思いを散々しても、好きなのよ)。    『山怪 山人が語る不思議な話』(田中康弘・著)   山怪 山人が語る不思議な話山と渓谷社 2015-06-06 田中康弘 Amazonアソシエイト by  フリーカメラマンの著者さんが、主にマタギさん達から聞いた山での「ちょっとおかしなこと」をまとめた本で、強いて怖くしている訳でもなく、淡々としている所が良い。それ…

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