杳月日記

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<<   作成日時 : 2018/10/01 14:20   >>

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 津村記久子さんの『ディス・イズ・ザ・デイ』を読み終わりました。


 
ディス・イズ・ザ・デイ
朝日新聞出版
2018-06-07
津村記久子
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 津村さんらしい、というか。とても面白かったし、元気になりました。
 J2リーグのファンである登場人物たちが試合を見に行く話なのですが、チームを応援する動機や理由はそれぞれで、一話につき、その対戦同士のファンが絡む話になっています。

 一番最初の話で、弘前のサポーターの子がいて、その人が旦那さんの昔にやや似ている境遇でして(笑)。
 言葉の端々に津軽弁が出てしまう所がたまらなく可愛かったです。当の旦那さん曰く、「俺はあんなに明るくなかったけどね」とのことでしたが、なんというか、とても素敵なキャラクターでした。

 先に読了した旦那さんと話をしていたら、二人とも土佐のチームの話が好きということがわかって、「いいよね、あれ」と語りあえました。こういうのは本当に嬉しい。

 いろんな人がいて、いろんなことで悩んでいて、でも、みんなサッカーが好きで、胸アツの素晴らしい小説でした。

 自分も小説を書いている訳ですが、こう、数少ない友人と旦那さんに読んでもらうだけの同人誌を作っているだけで、なんら生産的でないというか、やってても仕方ないんじゃないかって気持ちになります。
 自分の中では、きちんと働いて家事もこなしてそれなりに遊ぶ人が最上級に偉くて、そうでなくなった自分は駄目な人間になったという感覚があります。
 他方で、「働いている自分」というのは、スイッチと気合を入れ、「変貌」するものであり、もう、そんな重くて苦しい鎧を着たくないと思っている自分もいます。
 今はとても身体が軽くて、実家の事や旦那さんのこと、大好きな友達のことしか考えなくて良いという状況が、ものすごく楽でありがたいです。そして、楽すぎて大丈夫なのだろうかと思ってしまうのです。

 専業主婦とは虚無だなと思うこともあります。毎日を平穏無事に過ごすことがデフォルトで、それはとても褒められるべきことではあるけれど、やはり「頑張っている」という感じはしないものですし、実際、まったく頑張ってはいないわけですから。
 働いていた時には容易に使っていた「頑張ったから!ご褒美!自分に!」ということはなくなり、代わりに、「早く死んだら(終わったら)いいのに」と思うこともなくなりました。
 短期的に考えると、働いていないこと、他人ができることができない(働けない)ことへの罪悪感で胸が苦しいですし、長期的に考えると、「この先、かなり長いんだから、1年や2年、ちょっと休んでても良いのではないか」と楽観的に思えたりもします。

 対極的な二つの間で揺れている感じです。

 そして、それらを舐めつくすと、思うことがあります。

 ようし。これをいつか書いてやろう。

 かつて、一次創作にしても二次創作にしても、小説や漫画を書いて同人誌を作る人々を「同人屋」と言っていました。BLやNLに因らず、己で物語を作る人間の事です。
 同人屋は厄介事にぶち当たると脳裏に浮かぶ言葉があります。

 「よっしゃ、こりゃネタになる」

 今はツイッタラーの方達が似ているかもしれませんね。過労で入院しても、リストラされても、「よっしゃ、ネタになる」と思ってしまう、人間の性と申しましょうか。

 とても本を読む、友人の旦那さんが「描写が丁寧で細かい」と私の小説を褒めてくださったことがあります。とても嬉しかったです。そして、うちの旦那さん(読書家)は「いや、でも、純文学系とかは、丁寧な描写するからそんなに殊更そうってわけでもなくない?」と言っていました。好きな小説の傾向により、感想は異なるのだと思います。

 友人は「いろんな人に出会ってきて、それが(書く)力になったんだね」って言ってくれました。

 いろいろな人を見て、いろいろに傷ついたり呆れたり悩んだりしながら生きてきて、それが「ネタになる」なら本望だということです。

 津村さんの描くようなバラエティーに富んだ「戦う人」や「頑張る人」を描くことはできませんが、それでも自分の中にいるたくさんの人達をこれからも書いていきたい。

 そう、思わせてくれる小説でした。

 語彙が少ないとか文章が下手くそだというのは棚に上げて、今は一番楽しいと思えることを、楽しくなくなるまでとりあえずやってみようと思います。

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